施行目前の「法定養育費」 内容理解の不足が浮き彫りに~制度のポイントと誤解されやすい点を整理。正しい理解に向け、法定養育費や離婚等の取材・解説に幅広く対応いたします~

掲載内容はリリース配信当時のものです。内容について変更がある場合がございます。

養育費は子どもの生活を支える重要な費用ですが、制度が開始するにもかかわらず正確な理解が広がらなければ、当事者が適切な手続や支払い確保の行動に踏み出せず、結果として子どもの生活を支える養育費が届かない状況が続きかねません。
アディーレ法律事務所は、こうした現状を問題視し、法定養育費の正しい理解を促す啓発に取り組んでおり、その一環として2026年3月2日に司法記者クラブにて記者会見を、また2月25日に「法定養育費認知調査」を公開しました。
本リリースは、会見報告にとどまらず、施行前に押さえるべき現状と論点を整理することで、メディアの皆様の後追い取材や特集・解説等に繋げていただきたく配信します。

【養育費取得の実態】

養育費は子どもの生活の基盤を支える費用ですが、公的機関の調査では、母子世帯で養育費を「受けている」割合は28.1%にとどまります。取り決めがなされない、あるいは取り決めがあっても支払いが継続しないケースが少なくありません。(※1)
※1 出典:厚生労働省「令和3年度全国ひとり親世帯等調査結果」(こども家庭庁 公開資料)
https://www.cfa.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/f1dc19f2-79dc-49bf-a774-21607026a21d/9ff012a5/20230725_councils_shingikai_hinkon_hitorioya_6TseCaln_05.pdf

【法定養育費への期待は高い一方内容が届いていない現状】

さらに、アディーレ法律事務所が一般社団法人日本シングルマザー支援協会の協力を得て実施した認知度調査※2(有効回答428件)では、制度内容の理解が十分に浸透していない実態が確認されました。

制度への期待度はシングルマザー支援協会の会員で9割超、アディーレの相談者(一般層)でも約8割を超える一方で、内容を正しく理解している層は、養育費制度への関心が強いと思われるシングルマザー支援協会会員であっても35%程度にとどまり一般層ではわずか4%と低く、情報の周知が十分でない現状が浮き彫りになりました。

さらに、協議や審判等で養育費が決まるまでの暫定額として示されている月額「2万円」が、上限であると誤解されることへの不安の声も見られました。
※2:アディーレ法律事務所実施「法定養育費認知度調査」
https://www.official.adire.jp/pressroom/news/20260225/

【施行前に知っていただきたいポイント】

法定養育費は、離婚後に養育費の取り決め(協議・調停・審判等)がない場合でも、取り決めが整うまでの間、子どもの最低限の生活を下支えするための「セーフティネット」であり、取り決めが整うまでの「暫定措置」です。
重要なのは、「子1人月2万円で固定される制度」や「2万円が上限」になるものではなく、調停・審判等で、双方の収入等に応じた適正額を別途定め得る点です。
制度の一部(暫定額として示される一定額)だけが先行し、制度の位置づけ(暫定措置)や、別途適正額を定め得る点が十分に伝わらない場合、当事者が適正額の取り決めや、支払い確保(回収)の行動に踏み出しにくくなるおそれがあり、必要な方に正しく届くことが重要です。

【シングルマザーAさんの実情】

記者会見では、養育費を受け取れていないシングルマザーのAさん(仮名)の実情を共有しました。Aさんは小学生の長男を育てるシングルマザーです。調停で養育費月4万円を取り決めたものの、その後途切れがちとなり、現在は約5年にわたり支払いが完全に停止しています。病気や家族介護等でフルタイム就労が難しい事情もあり、養育費があれば生活の大きな支えになる実情、進学等の節目で費用負担が増える現実について会見でお話ししました。Aさんは「取り決めはあるが支払いが止まっている」ケースであり、法定養育費(取り決めがない場合の暫定措置)の典型例とは異なりますが、「養育費が届かない現実」を示す当事者としてご発言いただきました。

【近藤姫美弁護士のコメント】

当事者の多くは、争いを避けたい気持ちや生活の余裕のなさから、行動に踏み出すハードルが高いのが実情です。暫定額として示される一定額だけが独り歩きすると、「とりあえず最低額でいい」という空気が生まれやすく、適正額の取り決めや支払い確保の行動が止まってしまうのが一番の懸念です。
また、制度の理解とあわせて、養育費をどう確保するかという実務の導線(支払い確保の仕組みを含む)も、施行前に整理して伝えることが重要だと考えています。

【近藤姫美弁護士プロフィール】

アディーレ法律事務所大宮支店勤務、埼玉弁護士会所属。
離婚・親権問題の解決に注力し、依頼者の「人生の再出発」を力強くサポートすることを信条にしている。親権・監護権・養育費・財産分与など離婚関連事件を年間60件以上担当、不貞慰謝料案件も継続的に扱う。債務整理、相続、成年後見、刑事・少年事件など幅広い分野での相談・解決実績も有している。

【今後の予定】 

(1)「養育費取得実態」アディーレアンケート調査 
養育費の取り決め状況や取得状況、未払いの理由、未払いによる生活への影響等の実態を明らかにすることを目的として実施するアンケート調査です。3月下旬にアディーレ法律事務所のコーポレートサイトにて公開予定です。 
アディーレコーポレートサイト:https://www.official.adire.jp/ 
 

(2)3月25日(木)ドキュメンタリー動画上映会および講演会 
シングルマザーの生活に密着したドキュメンタリー映像の上映と、「離婚の前にやっておくべき大切なこと」を弁護士がお話する講演会を開催いたします。 

「養育費が止まった 〜あるシングルマザー家庭のリアルと『法定養育費』」上映会&講演会
日時:3月25日(木)14時~ 
会場:宇都宮市立南図書館会議室 

 
(3)ドキュメンタリー動画 YouTube公開 
上記上映会で公開する動画を、3月25日夕刻に以下アディーレ広報YouTubeアカウントにて公開いたします。 
https://www.youtube.com/@adire01 
上記に関するご質問や取材等は以下問い合わせ先までお気軽にお問合せください。 

【取材のご案内】

会見内容の後追い取材や近藤弁護士等のインタビューに加え、アンケート調査結果のデータご利用や、養育費債権の先取特権の内容や課題、民法改正に含まれる共同親権等につきましても取材・解説を承っております。取材やご質問などをご希望の報道関係者の皆様におかれましては、以下までお気軽にお問合せください。

問い合わせ先
アディーレ法律事務所 広報部(担当:竹内)
TEL:080-6795-5690/(代表)03-5950-0268
MAIL:kouhou@adire.jp